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【001560】 「トワイライトエクスプレス」乗車レポ(8/14〜8/15)・そのA
2003/8/29(金)21:59 - 無加川のニジマス ()

 さて、「トワイライト」は、新潟県に入り、市振駅を通過する頃、車掌さんによる親不知についての案内放送
に続いて、女性の声で、「ダイナープレヤデスよりご案内します。食堂車では、17時30分からの第1回目のディ
ナーの準備ができました。ディナーをご予約のお客様は、3号車・食堂車の方へお越し下さい。なお、浴衣、ス
リッパ姿でのお越しは、ご遠慮願います」という放送が入ったので、ディナー予約券とディナー券を手に、食堂
車・ダイナープレヤデスへと向かいました。私が座ったテーブルは、海側(日本海側)の方にある2人用のテー
ブルでした。親不知海岸では、現在の北陸本線は、長大トンネル区間が続き、日本海は、トンネルとトンネルの
間からしか見られない箇所も多かったのですが、外の景色が見える箇所からは、並行して通る国道8号線や、海
の上を高架橋で通る北陸高速自動車道を見ることができました。テーブルに腰を下ろすなり、女性の係員さんに
オレンジジュースを注文し、ディナーが運ばれてくるのを待ちました。最初に、係員さんに注文したオレンジジ
ュースが運ばれ、しばらくすると、最初のおかずが運ばれてきましたが、その際、女性の係員さんに、記念写真
の撮影を依頼すると、係員さんは、快く、私のカメラでの記念写真の撮影を承諾して下さいました。
 まず、最初に食べたのは、海の幸のパートフィロ包み・シガレット風味でした。これは、新鮮な海の幸をライ
スペーパーで包んだもので、玉子を掻き立てた香草入りの温かいソースと5種類の香辛料を合わせたオリジナル
スパイスを添えています。続いて、穴子とグリーン野菜のラザニアが運ばれてきました。これは、板状のラザニ
ア(パスタ)の間にルーコラなどのグリーン野菜と穴子を挟んで重ね合わせたもので、ローストチキンの旨味を
凝縮したフォンをソースとして添えています。温かい野菜と穴子、それにパスタが、ソースと見事に絡み合い、
じっくりと味わえました。この2つのおかずを食べながら、合間に、北陸自動車道や国道8号線などが併走する
親不知海岸〜糸魚川〜能生海岸などの景色を撮影しましたが、残念ながら、強い雨が降り続き、日本海の夕日を
車窓から見ることはできませんでした。この間に、列車は、糸魚川駅や、北陸トンネルと並ぶ北陸本線を代表す
る長大トンネルである頸城トンネルの中にある筒石駅などを通過していきました。定刻どおりに直江津駅に到着
し、JR東日本管内に入った頃、今度は、プロヴァンス風野菜のファルシーが運ばれてきました。これは、南フ
ランス・プロヴァンス地方の伝統的な野菜料理で、6種類の野菜を小さな詰め物に仕上げています。直江津駅を
定刻どおりに発車した後、北越急行ほくほく線の起点駅である犀潟駅を通過し、列車は、米山・柏崎海岸へと進
んでいきますが、外は相変わらずの雨模様で、結果的に、今回は、日本海の夕日を見ることができなかったのが
残念です。ここまでのおかずは、どちらかというと前菜的なものでありましたが、いよいよ、本格的なおかずが
運ばれてきました。それは、伊勢海老の軽い煮込みブイヤベース風です。ブイヤベースとは、南フランス・地中
海沿岸地方の漁師の料理で、新鮮な魚介類から出し汁を取り出し、その出し汁から取り出したスープで魚介類を
鍋に入れて煮た上で、そのスープと魚介類の肉を味わうというものです。今回のディナーでは、豪華にも、伊勢
海老を使ったものが出てきましたが、ブイヤベースも伊勢海老も、普段は、ほとんど食べる機会のない料理であ
るだけに、本当に、最高の味わいでした。そして、メインディッシュとして運ばれてきたのは、鹿児島産の和牛
肉を使った、特選和牛ロース肉のポワレとアンディーブの煮込みでした。鹿児島産の黒毛和牛のロース肉を、ポ
ワレと呼ばれる調理法で丁寧に焼いていて、添え物として付け合わせられたアンディーブの苦味やお肉の上の黒
胡麻が、味付け上のアクセントになっていました。メインディッシュであり、しかも、家では、牛肉をポワレで
食べる機会がないに等しいだけに、今回、このような形で牛肉料理を食べることができました。本当に美味で、
忘れられない味です。メインディッシュを食べているうちに、「トワイライト」は、米山・柏崎の海岸地帯を離
れ、柏崎駅を通過し、塚山トンネルを越えて越後平野の内陸部へと入っていきます。デザートとして出てきたの
は、アイスクリーム風ティラミスとエキゾティックフルーツの盛り合わせでした。アイスクリーム風ティラミス
は、「私を引き上げて」、「私を元気にして」という意味のティラミスのムースの部分を、マスカルポーネチー
ズのアイスクリームにしたものですが、私にとっては、このアイスクリーム版のティラミスの方が、普通のティ
ラミスよりも気に入りました。最後に、女性係員さんが、ブルーマウンテンコーヒーを注いで下さいました。挽
き立てのコーヒーは、喫茶店のコーヒー、ましてや、家庭で飲むインスタントコーヒーよりも、いかにもコーヒ
ーらしい香りがあって、2杯も飲んでしまいました。こうして、ディナータイムが終わりに近付く頃、信濃川の
鉄橋を渡り、上越新幹線の高架が見えてきて、やがて、宮内駅で上越線と合流した直後、「トワイライト」は、
定刻どおりに長岡駅に到着し、4分間の停車の後に発車しました。長岡駅発車直後にディナータイムが終了し、
ジュース代(420 円)を支払い、同時に、シャワー室のカードを購入しました。係員さんが、「シャワー室は、
20時〜20時30分の分と、23時〜23時30分の分が空いていますが」と述べられたので、私は、23時〜23時30分の分
のシャワーカード(310 円)を購入し、自分の寝台へと戻りました。すでに、外は完全に夜の帳に包まれていま
した。自分の寝台の近くの廊下の窓から、信越本線の上り線を眺め続けていて、しばらくすると、前日の夜に、
北海道・帯広貨物駅を発車した、大阪・梅田貨物駅行きのコキ100 系列コンテナ貨車20両編成の高速コンテナ貨
物列車4096レが、JR貨物・富山機関区所属のEF81に牽引されて通過していきました。
 こうして、定刻どおりの19時38分に、信越本線・羽越本線・磐越西線と3つの路線が交差する鉄道の要衝であ
る新津駅に到着しましたが、その頃には、雨が止んでいました。新津駅のホームに到着すると、向こう側の引込
線に、「SLばんえつ物語号」の7両編成の客車が停車していたので、2分間の停車中に、ホームに下りて見る
ことにしました。すると、「トワイライト」を牽引するEF81が停車している位置の向こう側の引込線に、「S
Lばんえつ物語号」の牽引機であるC57−180 号機が停車しているではありませんか。時刻表を確認すると、そ
の日(8月14日)は、「SLばんえつ物語号」の運転日で、「ばんえつ物語号」の牽引で新潟−会津若松間を1
往復したC57−180 号機は、新潟からの回送直後のようで、客車を解放して、新津運輸区の扇形庫に入ろうとす
るところでした。煙突やシリンダーなどからは、白い蒸気の煙が出ていました。こうして、定刻どおりの19時40
分に、「トワイライト」は、新津駅を発車し、羽越本線へと入っていきました。

(以下は、次回に続きます)


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