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【001591】 「トワイライトエクスプレス」乗車レポ(8/14〜8/15)・そのF
2003/9/15(月)15:09 - 無加川のニジマス ()

 JR北海道の車掌さんがサロンカーに現れた頃、「トワイライ
ト」は、青函トンネルの手前にある7つのトンネルを通過してい
きました。7つ目のトンネルを通過し終えたところで、車掌さん
が挨拶して、説明会がスタートしました。まずは、車掌さん自身
が、青函トンネルの北海道側の坑口があり、演歌の大御所・北島
三郎さん(サブちゃん)と同じく知内町出身であることを言って
いました。車掌さんの挨拶と自己紹介が終わる頃、3つの青紫色
の照明が坑口付近にあるトンネルに突入しました。ついに、全長
53,85 qと、世界一の長さを誇る海底トンネル・青函トンネルに
突入したのです。その瞬間、時計の時刻は、午前3時7分となっ
ていました。定刻通りに、青函トンネルに突入したのです。「ト
ワイライト」は、この津軽海峡の海面下240 m、海底からの深さ
でも100 mの地点を通る青函トンネルを36分で通過し、北海道へ
と上陸するのです。実は、前夜、サロンカーでのOさんと彼氏と
の会話の途中で、しばらく、Oさんたちが、食堂車でパブタイム
を過ごしに行くことになった際に、「深夜の青函トンネル通過時
には、車掌さんによる説明会が行なわれるので、起きていられた
ならば、ぜひ、見に来て下さい」と言ったわけですが、結局、O
さんたちは、この青函トンネルの通過時には、サロンカーには、
姿を見せることはありませんでした。
 車掌さんの解説は、クイズを交えたものでしたが、青函トンネ
ルの建設費用は6800億円で、同時期に完成した瀬戸大橋の工事費
用は1兆2000億円であったこと、青函トンネルの入り口は青森県
側で、出口は北海道側であること、青森側の坑口の上の「青函隧
道」の文字を書いたのは中曽根康弘元首相で、北海道側の坑口の
上の方は橋本龍太郎元首相(当時は運輸大臣)であること、青函
トンネルの海底部には本坑、先進導坑、作業坑があり、本坑は、
将来、新幹線が通れるように線路の道床の幅を広く作ってあるこ
と、先進導坑は、完成後は換気と海水の排水のために使用されて
いること、作業坑は、完成後は保守・点検のための作業員の通路
や通信ケーブルの敷設用に使われていることなどが、地図や青函
トンネルの断面図などを使って詳しく説明されていました。それ
に、青函トンネルに入ると、普通のトンネルと違って、耳がツー
ンと痛くなりませんが、これは、本坑の中央部から両方の坑口に
向かって、常に風速毎秒1m の空気が流れているからだというこ
とです。また、1本のロングレールとPC枕木を使っており、道
床はスラブ式となっているので、レールの継ぎ目がなく、単調な
走行音が続き、ほとんど、これといった揺れもありません。さら
に、トンネル内の温度は常に20℃で、湿度も90%だそうです。
 やがて、本州側にある竜飛海底駅を通過します。ここと、北海
道側にある吉岡海底駅は、本来は、トンネル内での列車火災の際
に、ここまで列車を走行して停止させた上で、乗客を避難させる
ために設置されたもので、駅のホームの奥には避難所があります
が、現在は見学施設も併設されていて、竜飛海底駅の場合は、斜
坑にあるケーブルカーに乗って、竜飛崎の地上にある青函トンネ
ル記念館を見物することができるようになっている(有料)との
ことです。この竜飛海底駅を通過する際、「トワイライト」は、
少し速度を落とし、徐行(といっても、それなりに速度はありま
すが)運転で通過しました。ここから吉岡海底駅付近までは、少
しだけ徐行しての運転となりますが、両方の坑口から最深部まで
は、最大で12‰の勾配があります。今、「トワイライト」は、そ
の12‰の勾配を、海面下240m(海底からは100m)の地点にある最
深部へと向かっているのです。しばらくして、車掌さんの説明の
最中に、今度は、青紫色と緑色の蛍光ライトがトンネルの壁で光
っているのが見えてきました。いよいよ、青函トンネルの最深部
に差し掛かってきたのです。車掌さんの説明には、「海底トンネ
ルと申しましても、魚やクジラなどは見えませんが」とありまし
たが、この上が津軽海峡の海だということを、感慨深く思いまし
た。ちなみに、車掌さんの説明の中には、昔の「24時間テレビ」
の手塚治虫氏原作による長編アニメの1つで、海底の景色が見え
る透明なチューブのトンネルが出てきたということまでもがあり
ました。あっという間に、トンネルの最深部を通過し、「トワイ
ライト」は、今度は、12‰の上り勾配を、吉岡海底駅へと進んで
いきました。

(以下は、次回に続きます)


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