2003/3/2(日)02:22 - きみっぺ (男)
前日の夜は余りにもまったりし過ぎたためか、フロに行くのも面倒くさくなってしまい、
結局、朝風呂を浴びることに。仰向けにひっくり返ったカエルのような恰好(笑)で惰眠
をむさぼっている子供たちを6時半に叩き起こし^^;、大浴場へと強制連行する。
昨日に引き続き、雲一つない快晴。取り敢えず内風呂で体を温めてから、露天風呂へ突撃
する。放射冷却でこの日の朝も見事に冷え込んでいるから、すっぽんぽんの身体からは
モウモウと湯気が上がる。キャーキャー言いながら(笑)、急いでお湯に身体を沈める。
岩の割れ目からコンコンと注がれる、ほんわかと温めの温泉。心底、日本人で良かったと
思う一瞬である。大きく鼻で深呼吸すると、鼻毛がパリパリと凍り付くほどの寒さ。試し
に、子供たちに鼻で深呼吸させ、鼻毛の様子を観察していると、あらら、本当に毛の一本
一本がみるみるうちに白くなっていく...(何やってんだか...^^;)。
10時少し前にチェックアウト、昨日来た道を網走駅まで折り返す。駅に着くと、改札口
の前から長蛇の列が表まで伸びている。言うまでもなく[ノロッコ1号]の乗客である。
ただ、最終日の今日は、札幌に帰り着くまでの4本の列車全て(ノロッコ、お座敷摩周、
SL、スーパーおおぞら)の指定席を確保済みなので、いくら列が長かろうが、心理的に
は一応安心である。
10時25分、指定席・自由席とも満員の乗客を乗せたノロッコは、網走を定刻に出発。
先頭の4号車1両が指定席で、進行右側は、藻琴湖や濤沸湖に集う白鳥の姿を望むことが
出来る6人がけのテーブル付きボックス席。窓の方角を向いて2人がけの席が配置されて
いる左側は、水平線の果てまで流氷に覆い尽くされたオホーツク海の風景を楽しむことが
出来る。4号車とディーゼル機関車の間に挟まれた自由席車3両も、3号車は指定席車と
同タイプの展望車、2号車はバーベキューカー(コンロはなし)、1号車はボディー色だけ
ノロッコカラーに塗り替えた通常の50系客車となっており、その編成は多彩である。
あっという間の1時間、[流氷ノロッコ1号]は定刻に知床斜里に到着。10分後に発車
する[お座敷摩周号]にそそくさと乗り換える。スラントノーズのキハ183を先頭に、
指定席のお座敷車両が2両連結された3両編成。途中の緑までは地元業者による車内販売
もあり、何と、ビールは背負いタンクによる生ビール^^。躊躇なく1杯買い求めたのは
言うまでもない。
[お座敷摩周]もノロッコ同様満員で、生ビールは3両を一巡した段階で早々と売り切れ。
仕方なく、ほろ酔い加減で少々居眠り。掘りごたつの床暖が心地よい。
途中の標茶で[お座敷摩周]と別れ、[SL冬の湿原号]に乗り換えるまでの間、駅舎の中
と外を行ったり来たりしながら時間を過ごす。カミさんと子供たちは「ハラが減った〜」
などと叫びながら、仲良くズルズルとソバをすすっている。私も一口つまみ食い^^;。
行き違いの普通列車が遅れているようで、なかなか発車できない[お座敷摩周]のあとに
ホームを転線するSLも、改札開始が遅れる旨、アナウンスが流れる。改札開始時刻でも
訊いてみようと、窓口の方へぶらぶらと移動。その時、何気なく改札口の方を見ると、
見覚えのある方が目にとまった。「ん?」よく見ると、そこにいらっしゃったのは何と、
つい2週間ほど前にも[北斗星の家 関東新年会]でお会いしたばかりの、東京に在住の
某氏であった。お互い全くの偶然で、ただただびっくりである。お話しを伺ってみると、
この後SLとスーパーおおぞら10号を乗り継いで、南千歳から北斗星4号で帰京すると
のこと。釧路から南千歳も同じ列車であるとは、偶然も重なるものである。
ようやく改札も始まり、最後尾1号車の5番席に腰を下ろす。しばらくしてから、某氏も
1号車に乗り込んできた。「あらら、同じ号車とは奇遇ですね〜」などと言葉を交わす。
「お席は何番ですか?」と訊ねるやいなや、某氏から「あれ!?あれぇ!?」という噛み
合わない返事が被る。何と、某氏の席は通路を挟んで隣り合わせの6番C席であった。
予め申し上げておくが、これは話を盛り上げるための演出や架空の話ではなく、本当に
全くの偶然である。そもそも今回、私がSLに乗車することを事前にご存じの方は何人か
いらっしゃったものの、席番については誰にも話しておらず、某氏が私の席番を事前に
知っているはずはないのである。全く、偶然もここまで来るとかなりコワイ。正真正銘の
“ドッキリ”である。
SLの車窓には、標茶発車直後からこの沿線ならではの景色が写し出され、見る者を飽き
させない。タンチョウやエゾシカなどの動物たち、そして、広大な釧路湿原の遙か彼方に
そびえる雌阿寒岳・雄阿寒岳の雄姿。素晴らしい晴天の下、美しく輝く雪景色を満喫する
傍ら、昼間から缶ビールを片手に某氏との歓談に勤しむ一時...、至福である^^。
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