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【000820】 冬の北海道旅行記−3
2002/12/7(土)12:03 - TWILIGHT ()

−つづき

平成n年2月6日(nは任意自然数)午前9時、1時間後に発売する3月6日出発の「トワイ
ライトエクスプレス」の切符をとるために私は名古屋駅のみどりの窓口に立っていた。岐阜駅
で3日前に苦い思いをしているので、今度は名古屋駅で挑戦する事にした。日曜日といっても
朝の9時である。駅の構内は比較的すいていた。

「今日は何が何でもトワイライトエクスプレスの切符をとるんじゃあ」

と気合いを入れてきた。

「ぜってぇ、スイート取ったる!」

鼻息荒くして10時発売のカウンターに並んだ。よくよく考えてみると、北斗星トマムスキー
より今日のトワイライトエクスプレスの方が競争率ははっきり言って高い。北斗星トマムス
キーの切符をとるにあたっての「敵」はスキー等の総合多目的リゾート施設「アルファ
リゾート・トマム」への団体客を扱うエージェントとかであるが、今日の敵は一般の旅行会社
、エージェントの他に一般の客もアクセスしてくるのである。「敵」は全国におり、その全国
を相手にして誰よりも早くアクセスして初めて取れるのである。
そう考えると身震いして緊張を感じてしまう。

腕時計はNTTの公衆電話で正確に合わせて準備万端OK。9時59分、入力開始。
「札幌から大阪、トワイライトエクスプレス、上り、A寝台、個室、個室定員(2)、大人
2名っと。」係員は一つ一つキーを確かめながらたたいていき、ピンを刺す。(注:当時の
M2マルスの入力パターンです・現在のマルスは違います)

あと1分でいよいよ3月6日のトワイライトエクスプレスの切符の発売となるのである。1分
がこんなに長いものだなんて、と再認識。9時59分50秒、いよいよあと10秒で発売
開始である。「あと10秒です」と私は係員に告げた。じっと自分の腕時計を見つめている。
そしてカウントダウン開始・・・・・

「5、4、3、2、1、お願いします!!」

というと同時に係員が発信ボタンをプーッシュ!! 1秒、2秒、3秒、4秒、5秒と発信
ボタンを押してから時間が過ぎていく・・・。反応が早い端末機なのにこれはどうしたこと
だ!? またしてもだめだったか???と脳裏をかすめた瞬間、モニター画面にピッと結果が
出てきた。なんとなんと・・・・

                  「YES」

やったー!ついバンザーイと叫んでしまった。全国を敵にまわして勝った瞬間である。
しかし、切符が出てくるまでにもう一つの不安があった。このトワイライトエクスプレスには
スイートが2つあり、1つが私の欲しい「1号車1番 個室」こと車端部の展望スイートで、
もう一つは「2号車3番 個室」である。2号車の真ん中の窓が大きく屋根まで張り上がって
いるあの部屋である。「スー、カタン」と音がして切符が発券部より出てきた。

                「1号車1番 個室」

まさしく私が欲しかった栄光の切符である。寝台料金50000円(注:当時)はビッグ
だけど、乗ってみたかったし、卒業旅行なんだからと納得して全国を敵にまわしての勝利に
酔いしれて帰ってきた。あとはせめて行きの北斗星トマムスキーでB寝台個室ソロでも
取れたらなぁと考えていた。

−つづく。



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