2001/11/21(水)21:17 - cassiopeia (男)
五目飯さん、管理人さん、きみっぺさん、早速のご挨拶どうもありがとうございます。
新たな常連さま方へのご挨拶も兼ねまして、以前こちらにアップし途中で削除しました「台風接近時北斗星3・4号乗務記」を再び投降します。
★ H13年台風接近時北斗星乗務記
17:00会社に到着。白服に着替える。
乗務の用意で1時間ばっちりかかる。
ハツホは、個室がA・Bともゼロ。B寝台が49の空き。
18:11点呼。18:35、13番ホームへ。
今日もお出迎えの方々がちらほら。
すぐ列車入線。ドアコックで乗車しドア開け。
車掌長、案内放送開始。僕はすぐに最後部車両へ。
最後部車両乗務員室に入り、尾灯ON。
三脚を立てて撮影している方が。
車番を控え、5号車車掌室に戻る。
車掌長がビデオとカセットテープをセットしに行っているので、
今度は僕が車内放送。個室のキーカードとシャワーカードの案内をする。
19:02、いよいよ発車時間。車内放送後東北レピータ点灯確認。
発車ベルが鳴る。駅員が前後で乗降終了の合図を出す。
出発指示合図確認、ドア閉め。
無線で「こちら3列車車掌です。3列車運転士さんどうぞ。3列車発車〜!」
と出発合図を送る。
19:03、列車定刻に発車。ホームのお見送りの方々に手を振りながら上野を後にする。
車掌長が車内放送。僕はすぐに検札へ。
4号車、3号車といった所で浦和通過。車掌室にもどり埼玉新都心通過監視。
車内放送で大宮到着とすぐ発車だから降りないよう案内。
通勤客が並ぶ中、大宮9番線入線。大宮からのお客さまが乗り込む。
東北レピータ点灯確認、出発指示合図を確認して発車。
発車後すぐに食堂車の女性フタッフが現れる。ディナータイムの案内をしてもらった後、
車内放送をする。シャワーカードについて宣伝を行う。また、ここでよく話題になる
ロビーカーのマナーについて注意する。検札の続きへ。今度は、5号車へ。
5号車の中ほどのほろ酔いの年配の男性のお客さま。お連れ様が乗っているはずだが、
場所を言わなかったとの事。車掌室へ戻りお呼び出し放送。
検札を続ける。5・4・3・2・1号車を見終わったのが石橋。
やはりゆっくりすぎなのだろうか。お客さま方とお話する時間が多すぎなのか?
でも楽しいし、お客さま方もニコニコしてくれるので良しとする。
宇都宮到着、数名乗車し定刻発車。乗車人数を数え、乗車人員報告書に記入する。
雨が降ってきた。しかし顔を出すと生暖かい。車内の冷房は調節済み。
ロビーカーは満席。みなさんトラブルもなくゆっくり過ごしているご様子。
21:20(本当は21:30)パブタイムの車内放送をしに、食堂車の方が来る。
郡山到着。ノリホを箱に入れる。数名乗車し3分停車後発車。
検札に行きながら、各車のデッキにある寝台灯(寝台の天井の電気)を消し、
ブラインドを降ろしながら進む。車掌室で減光スイッチON。
通路の電気が一斉に明るさを減らす。車掌長がお休み前の車内放送実施。
福島定刻発車。ロビーカーはガラガラ。みなさんほとんどご就寝。
夕ご飯の時間。大いに食べ過ぎる。
仙台到着。カニ車で荷物積み下ろしが始まる。が、日曜なのですぐ終わる。
合図灯で係員に合図し返す。食堂車の荷物積み下ろしok。合図し返す。
数名乗車後、仙台定刻発車。
最後の検札へ。車内は暗く、皆さまご就寝の中、寝台整理表を見ながら小声で検札。
車掌室に戻り、書類に人数をまとめる。色々な書類があるので、なかなか時間がかかる。
一ノ関停車。ホーム真っ黒。本当に真っ暗。
機関士が乗り降りする影を、出発信号の明かりを頼りに確認し、出発合図を送る。
雨は止まない。
車内巡回。皆さんぐっすり。あいている寝台の蛍光灯を手をのばして消しながら巡回する。
冷房温度確認。トイレのドアは、よく開けっ放しになっている。個室は通路のライトの色も
落ち着いているせいかとても静か。
盛岡到着。ホームは明るい。機関士交替がよく見える。機関車の窓を拭く作業が始まる。
夏場だけの作業。虫の死骸を落とす。盛岡定刻発車。
どうやら定刻で青森につけるようだ。台風の影響は無かった。が、帰りの4号乗務が不安になる。
青森到着前、12号車へ行き尾灯をつける。カニ車の尾灯は、最短部の乗務員室にあり、なんと
あの機械室を抜けていかなくてはならない。機械室のドアを開けると、油の匂いが立ち込め、
それよりなにより、発電機の音がもの凄い! 耳を両手で塞いで通るがそれでもうるさい!
温度も暑く、最短部乗務員室へのドアを開ける際、どうしても片手を耳から外して開けなくては
ならないので本当にイヤ。もううるさいなんてレベルではなく、本当にあそこは地獄の一丁目。
尾灯スイッチを入れ、EF81に赤ランプが反射しているのを確認して車掌室へ戻る。
荷物をまとめ、青森下車。JR北海道の車掌さんに引継いで青森運輸区へ行き、
点呼の後青森の乗箔へ。お風呂に入って、5:00寝る。
12:00起床。マックの半額タツタ・ダブチを購入。市内をうろついた後、
乗箔で台風関連のニュースを見る。やはり帰りにぶち当たる気配。
九州ブルトレと、北陸・あけぼのまで運休が決定。
長野新幹線、中央特急、始発から動かなかったらしい・・。
夕食後、18:30就寝。1:00起床。雨が降ってきた。乗箔を出て青森運輸区へ。
さすがにこれだけニュースで報道しているので、乗車率は3〜4割くらいかと予想を立てる。
点呼後、青森駅の乗務員詰め所へ。パソコンで列車位置を確認。北斗星4号は中沢を1分遅れ。
定刻で来た! 北斗星1号は浅虫温泉を5分遅れのようだ。こちらも台風の遅れ無くやってきた!
ホーム出場。500mgジュース2本購入。ドラえもんがやってきた。尾灯よし。
JR北海道の車掌さんから引継ぎ。なんとほぼ満席! 南千歳から、飛行機の迂回でみなさん突然
やってきたらしい・・。そうか〜、そうきたか・・。がっくり。
ドア閉め。無線試験。今日は青森−盛岡間時刻変更と、八戸駅場内信号機全て停止現示。
場内信号は手信号合図機で進入。八戸臨時停車。出発信号機停止現示。
代用手信号現示、という運転方法の変更があるので、機関士と打ち合わせ。
レピータが開かない。1列車が隣に入線後のようだ。
パソコン画面で確認した通り、5分遅れで北斗星1号入線。
青森の車掌に「お疲れさまでした〜」と手を振る。
青森5分遅れで発車。発車後すぐ雨は強まる。寝台整理表確認。
わぁ〜本当にほぼ埋まっているなぁ。盛岡・一ノ関・仙台下車人数確認。
盛岡7名、一ノ関5名、仙台はなんと41名下車・・。
書類に数字を書き込む。どうも書類って苦手。全然進まない。
書類と格闘していると、早速女性のお客さまがお見えになる。
飛行機で東京へ帰るはずが、迂回でこの列車に乗車してきて、そうするとせっかくだから
仙台で降りて、磯原(常磐線)の友人の所へ寄りたいとのご相談。
まず料金についてご説明。北斗星の特急券・寝台券は、仙台で失効。仙台から僕がよく乗っている
スーパーひたち18号に乗り換え、車内で特急券購入が必要。乗車券は、東北本線経由なので、磯原
までは方向変更。磯原−東京の不乗区間が100kmを越えるので、磯原駅で払い戻しという事をご説明。
が、料金はともかく問題なのが台風。まず仙台に定刻どおり着けるかわからない。
北斗星4号の仙台到着予定時刻は6:47でスーパーひたち18号の仙台発車時刻は7:15である。
が、台風の予想進路をニュースで見てきたので、仙台では台風にはまだぶち当たらないハズなので、
仙台は大丈夫ではないかとご説明。一応目安として一ノ関が5:40で、到着時刻を確認し遅れを確かめて
欲しいとご案内。が、スーパーひたち18号で行っても、途中で運転見合わせになる可能性があり、
うまく磯原に着けても、夕方東京へ帰るときには、常磐線動いているかわからないと説明する。
唸るお客さま。よくよく考えてみてくださいねと、磯原までの乗り換え時刻を書いて手渡す。
列車が減速する。八戸だ。顔を出すと確かにどの場内信号機も赤信号だ。
信号機の下に着いている手信号代用機と思われる青いランプを確認。列車が信号機を過ぎても青のまま
なので、間違いなく代用機である事を確認。低速で長い構内をひたすら進入。
やっとホームに入線。既に発車時間だ。レピータ滅、出発信号機停止。
出発信号機の下に駅員居る。合図灯で青を出した。代用手信号進行! ホームに居る駅員も合図灯で
青を出す。出発指示合図よし! 無線機で機関士に発車合図を送る。八戸5分遅れで発車!
駅員に挨拶してしばし出発監視。雨の中、身動きせずじっと出発信号機の下で代用手信号(合図灯)を
掲げている駅員に敬礼。
4:10。盛岡で下車のお客さまに声をかけに行く。B寝台が4名、ソロが1名、デュエットが2名。
みなさん既に起きていました。B寝台のお客さまには荷物をまとめロビーカーで待機するよう小声でご案内。
4:33、ロビーカーへ行き皆様の前で東北本線の普通電車、田沢湖線、花輪線の始発電車の時刻・番線・入線時刻
についてご案内。また車内放送が無いのでドアが開いたらそのまま降りるようご案内。
4:38、盛岡5分遅れで到着。ドア開け後、左右を見て7名のお客さまがちゃんと下車したか確認。
乗車人員報告書を箱に入れ、すぐベルを流して発車。
5:10、続いて一ノ関でお降りのお客様5名に声をかけに行く。
同じくロビーカーへのご案内と、到着前に皆様の前で乗り換え案内実施。
瀬峰へお帰りの年配の方は耳が不自由でいらっしゃるらしく、岩沼行きの乗り換え案内に苦労する。
一ノ関7分遅れ。雨はまだ激しくない。空が明るくなってきた。
一ノ関発車後、朝ご飯。しかし仙台下車のお客さまが41名もいるのであわてて済ませ、
すぐにお声をかけに向う。外は明るい。みなさんほとんど起きていた。車内の寝台灯をつけながらまわる。
車掌長、朝の放送。続いてグランシャリオのモーニングタイム開始のご案内。
6:55、仙台到着。なんとか台風の影響も無くやって来れた。ホームではスーパーひたち18号乗務の先輩が
待っていてくれた。ドアを開けると、一斉に大勢のお客さまが下車。グランシャリオの乗務員下車。
食堂車荷物積み込みと新たな乗務員が乗車。その間、スーパーひたち18号の先輩に、台風情報を聞き出す。
だいぶ速度が遅いようだ。青森出た時点では、午前10時に宇都宮付近だと思っていたがもっと遅いようだ。
仙台8分遅れで発車。空はだんだん暗くなる。
食堂車は、朝食のお客さま方で賑わう。ロビーカーもしかり。ビデオ映画を見るお客さまは皆無なので、
2chを押してクラッシック音楽にする。福島・郡山と下車のお客さまはほとんど無し。
東京輸送司令室で格闘中の後輩に、首都圏の宇都宮線の運行状況についてメールで尋ねてみる。
90%の運転率で運行しようとしたが、5:35に東鷲宮で人身事故が発生し、6:18に運転再開したが、
ダイヤはおお乱れとの返答が・・。
北斗星4号は、宇都宮線の朝のラッシュ時間帯に無理やり入っていく訳だが、入っていける時間(定刻時刻)
を逃すと、ラッシュの普通電車を優先させる傾向が強い。これで宇都宮まではすんなりいけそうだが、
それ以南はどうなるかわからなくなってしまった。一応メールで「どうせ遅れているんなら、僕の列車を
優先させるんだ〜」と返答してみる。
車掌長がいいものを取り出す。私用の携帯ラジオだ。NHKにあわせ台風情報を聞く。
大変役立つ。台風の位置、鉄道情報、高速情報がよくわかる。
昨日に引き続き、中央本線、長野新幹線が始発から運休・・。中央道。関越道もダメみたい。
車内巡回へ。お客さまから質問をたくさん受ける。ラジオの情報を元にご案内する。
が、長野・上諏訪へお出かけのご家族がいらっしゃった!
長野のお客さまへは、中央線がダメなので大宮で下車し、長野新幹線の状況を踏まえながら
長岡回りを考えて欲しいとご案内。上諏訪へのお客さまには、一応新宿駅へ向い、
中央線の状況を聞きながら、しかしおそらく中央線は本日は難しそうなので、中央道の復旧情報を
集めながら、高速バスを考えて欲しいとご案内。みなさん覚悟していたようで、苦笑する。
文句は一切無かった。
黒磯8分遅れで通過。郡山付近で台風とすれ違うかと思っていたが、まだのようだ。
ラジオによると、9:30、鎌倉上陸と言っている。暴風域は埼玉県に入ってからか?
旅客一斉情報装置がつかえるエリアとなったので、早速情報収集。
NEXが2時間遅れ。東海道・中央線特急・長野・山形新幹線、始発から運休。
青梅線、京葉線運転見合わせ。さらに次々と徐行区間の指示が出る。
4号にも徐行の指示が来た! 宝積寺−岡本間、鬼怒川付近25km以下の徐行だ。
矢板付近の那須から流れてくる川は水が濁って中国の大河のよう。
宝積寺通過、列車減速。いよいよ鬼怒川。車掌長と左右から顔を出して、状態監視。
鬼怒川も大河のよう。そしてものすごい川の流れ。雨に負けず、状態監視。無事渡りきる。
宇都宮到着14分遅れ。ここから上り列車が遅れている。
すんなり入っていけるのだろうか。宇都宮で長時間止められるようであれば、新幹線への
振替えを考える。が、優秀な後輩を持つという事はいい事だ。青信号が既についている。
宇都宮発車! 車内巡回で、長野へ向うご家族達にもう一度ご挨拶へ。
利根川通過。びっくり! 水が堤防から堤防まで行っている。もの凄い水の量。
やはり雨が強くなる。しかしもうここまで来たらどうにでもなるので安心。
大宮15分遅れで到着。長野家族に会釈をされる。「どうぞ。お気をつけて〜」と答える。
高崎線も遅れているようだ。高崎線を先に出すと駅の放送がある。
が、信号がつく。優秀な後輩を持つという事はいい事だ・・。
上野まではかなり低速運転となる。前の電車が遅れているようだ。
青森からご乗車のお客さま、ほとんど皆さま上野までご乗車である。その数155名。
ここで車掌長が素晴らしい提案。「・・車内、ラジオ流してみるか?」
お〜!素晴らしい!!どんどんやっちゃいましょう! とNHKラジオをマイクにつけて
ラジオ放送開始! よく聞こえる、よく聞こえる。お客さま方固まってじっと耳を澄まし、
目的地までの方法をじっと考え始める。北斗星4号に静寂が訪れる。
車掌長は寝台特急さくらなど、ブルートレインブームの時、花形列車を乗務していた方である。
やはり僕の職場の先輩方は尊敬すべき先輩方ばかりだ。
これが僕が幼年の頃から憧れていた寝台車掌さんなんだ、としきりに感銘を受ける。
僕も秋葉原で安い携帯ラジオを購入しようと強く思う。
雨に負けず、各駅通過監視。かなり激しい。台風に入った感じだ。
赤羽ホームもほとんど誰もいない。車内放送を早めに始める。首都圏の運行情報や新幹線・特急
の情報を伝える。上野20分遅れで到着。4・5時間遅れを覚悟していただけにホッとする。
リネンの方々の作業が終わってドア閉め。すぐ尾久へ向けて発車していった。
車掌区へ歩いていると暴風雨となった。間一髪! 後輩達のおかげで助かった。
疲れは無くすがすがしかった。
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