北斗星の家 掲示板 過去ログ
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【000290】 乗り物酔いの話
2000/12/25(月)21:39 - とらん・ぶるぅ☆ ()

スーパーあずさに使われている車両が、振り子型ということもありますが、
逆に考えれば、振り子型車両が使用される、路線の特徴もあると思います。
振り子型が使用されるのは、曲線の多い路線でスピードアップするためです。

カーブするときのバイクのように、振り子電車もカーブの度に
ハングオンします。中に乗っている人から見れば、景色が斜めになりながら
すっ飛んでいくわけです。窓際に座って景色を眺めながらいると、
特に、酔いやすい方はその対策として、
なるべく遠くの景色を見ようとするのですが、
傾きの内側にいるときは地面が迫ってくるので、目線を上にして、
傾きの外側にいると景色が下へ沈んでいくので、下を向きます。

体の傾きを感じる器官は頭の三半規管ですが、
この運動に伴って頭が地面に対して垂直になってしまい、
三半規管が遠心力をもろに受けます。
これが鉄道技術の粋を集めた乗り物酔い対策を相殺します。

以上が、同じく振り子電車のスーパーくろしおに乗ったときの
ピープルウォッチング(立ち乗りで暇だったので(^^;ゞ)を元に推測した、
振り子型のスーパーあずさの起こりにくいはずの乗り物酔いの話です。

振り子型でなくとも、遠心力で振り回されるので話は同じですが、
外に傾くので車体に対して頭を垂直にしていると、カーブで感じる力は
遠心力+車体垂直方向の重力です。これが遠くを見ようとすると、
上の話と同じで頭は垂直になるので、感じる力は遠心力だけになり、
重力成分の分だけ弱くなるので酔いにくいとされます。
ただし、振り子型の方が高速に曲線を走るので同じ遠心力でも
振り子型の方が強くなるのです。

話はもどりますが、カーブが右に左に続く路線では、
それだけ三半規管に、右に左に遠心力がかかります。
つまり、酔いやすいのは振り子型に限らずカーブの多い路線というわけです。
ちなみに新幹線は、高速運転のために極力カーブを緩くしてあります。

さて、我らが北斗星ですが、本州内ではかなりすっ飛ばします。
しかし、カーブの少ない路線なので遠心力は受けにくいです。
北海道では同じレールの上を振り子型ディーゼル特急がバリバリに
飛ばすカーブの多い路線ですが、北斗星は同じレールの上をゆっくり走行します。
高速運転向けに整備されたレールの上をゆっくり走るので、
新幹線開業後ローカル線に格下げされた本州内よりも乗り心地がよいくらいです。


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